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日々の破片

著作一覧

2007-04-17

_ 開発の現場 vol.008

出てます。

開発の現場 Vol.008(木下 史彦)

特集のほうが最近、品質管理についてちょっと考えてみる必要があったので概観を知るのに役に立ったというのは置いておいても、連載のほうは、久々にるいもさんと僕とで再現リストを使ったコードの書き方指南とか提案とか考察とか知見の披露とか、そういったやつを例外をネタにやっています。自分で書いておいて言うのもなんだけど、おもしろい。10行程度のコードにだって思想があるんだよなぁ。

(見本誌は先週には受け取っていたんだけど、ちょっとばたばたしていたのでやっと読めた)

_ 趣味は沈黙

なぜか空目をしたが、なかなかに含蓄がある言葉であるなと孤悦に入る。

_ 多神教からは合理的な技術は生まれない

魔術から数学へ (講談社学術文庫)(森 毅)

なんとなく読み返していたら、以前読み飛ばしたか何気なく忘れていた個所に目が止まった。

中国では印鑑があった。だから活版の発明は自然なことであろう。でも、出版にうまく結び付けられなかったのは、文字がモノではなかったからではなかろうか?

それに対して、ヨーロッパでは文字はローマからの仮モノ、最初から単なるモノに過ぎない。したがって、活版印刷は出版に繋げられた。

ああ、なるほど、そういう仮説は立てられそうだと、ワープロ出初めの頃の我が国のことを省みる。

魂がこもらないワープロで打たれた原稿/論文/作文/履歴書なんちゃらかんちゃら。

筆を使って、一筆入魂の心をこめて書かれた文章に、モノがモノに打ち出した文章は、及ばず、心を打たず、渡された相手を見下す行為である、と。

そこら中に神が宿り、魂がこもり、心がある。

くだらない世界ですな。

まさに仏作って魂入れずの美しい国だ。

そうではなく、文章そのものに、言葉そのものに、価値が意味が知恵があるのだ。

でも、と希望はある。

江戸時代に木版でいろいろ刷りまくったのも他ならぬこの国の人だ。枕絵を刷り、小噺を刷り、瓦版を刷り、果ては算法少女まで刷った。

それは、モノをモノとして活かす術をきちんと知っている人がいたという証拠でもある。かすれた筆で心をこめて伝統と芸を免許として狭い門の内側でこっそりと伝えていた人たちには考えが及びもしない術だ。大量に刷りまくり売りまくりバラまくり、モノを使って情報を伝えた人たちがいた。生き生きとした情報は、モノを使って複製され人々の手に渡り、そして新たな情報を生み出す。

そして、それは職人の町でのことだった。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
_ はら (2007-09-16 07:58)

突然ですが、森さんの講演会をします。<br> http://blade.nagaokaut.ac.jp/mori/<br>みなさん、新潟にくるよーに。

_ arton (2007-09-16 15:58)

うーん、残念ですが僕は無理です。<br>それにしても微妙な場所へのツッコミですね。


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