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日々の破片

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2009-06-16

_ デルはどこまでアップルになれたか?

『企業戦略としてのデザイン』には、21世紀になってからデザイン=企業そのものという考えにシフトした企業の例としてデルと三星が出てくる。

どちらも、アップルの成功に自分たちの活路を見出した例としてだ。

企業戦略としてのデザイン アップルはいかにして顧客の心をつかんだか(Robert Brunner/Stewart Emery/Russ Hall/長尾 高弘)

デルは、最初は自社開発の高速なグラフィックチップを載せた高級マシンだったのだが、いつの間にかBTOに特徴があるクイックレスポンス企業みたいなものに変わって大成功し、そして21世紀になって失速した。

アップルはそれに対して21世紀まで死にかけながらも死なずに生きていて、そしてそれなりに成功している。

着目すべき点として、死ななかったということがある。勝手に延命処置をしまくってくれる奇特なボランティア医師団が形成されていたからだ。こういう人たちをいかに生み出すかは、『企業戦略としてのデザイン』の中でデザインの重要性とともに語られている。

さて、先日、DELL XPS M1210という12"のノートパソコンが死に、それは今をさること3年前の2006年5月に発売されたモデルだ。

で、今手元にXPS 13があり、それは2009年3月に発売されたモデルだ。

もし、デルがアップルを戦略的に真似をしようとしているのであれば、この3年間に生じたデザインの変化がみられるはずだ。

M1210のニュースリリースの報道の一例(デル、高性能モバイルノート「XPS M1210」発売)に対して、同じサイトのX 13の報道を見ると(デル、マルチメディア機能充実の個人向けフラッグシップノートPC2機種)と、微妙に表現が異なる。どちらも、その時点ではそれなりの能力を持つNVIDIAのグラフィックチップと、Core2を載せているノートだが、片や「高性能」という実質的な言葉が使われ、片や「フラグシップ」という無意味なしかし何かのインパクトがある言葉が使われている。

外見は、まったく異なる。M1210はプラスティックに銀色の塗装をしましたという以外に表現できない内側と、汚れが目立たないマットな(手にも馴染む)蓋、通風のためのスロットと、モジュールのでこぼこに合わせて区画化され、FCCのシールなどがきちんと収まるように枠が用意された底。非常に機能的で、モジュールの交換がしやすいのは素晴らしい。

一方のXPS 13はアクリル塗装だと思うが黒く光沢がある内側にMacBookみたいなとしか表現できないペッタンコのキートップ(でも打ちやすいのもMacBookと同じ)、しかも意味があるとは思えないが暗くなるとボーっと光る(MacBook Proと同じ)、通電中は青く光るACコネクタ(充電状況に応じて緑−橙と変わるわけではない)、持つのにしっくりくる革と指紋が付き放題のつるつるの黒いやはりアクリル塗装らしき蓋、グリルのような筋が入っているものの、一枚の板になった底(ネジを10個所くらい回さないとHDDの換装もできない)。

温風吹き出し口が左にある(Thinkpad X31もそうだったからインテルの推奨フォームではないかと思う)M1210に対して、LCDの付け根に吹き出し口があるXPS 13(こんなところまでMacに似せなくてもと思うのだが、確かにLCDの付け根にあると横のデザインが自由になるのかも。

DVDユニットは、トレイが飛び出すM1210に対してフロントローディングのXPS 13.

XPS 13のデザインは上記のように、M1210と比較するとMacBook Pro(あるいはAir)のデザインを構成する細部(特に底とキーボード、温風吹き出し口)はそのままに外観をデル向けにアレンジしたものになっている。たとえばLCDの付け根のいかにも銀色に塗装したプラスティックのアーム(ただ、塗装方法はM1210よりもナチュラルな印象は受ける)から、本体の両脇を回る銀色と黒の組み合わせというのは、デルのロゴの色の組み合わせなので、一見するとまったくアップルを意識しているようには見えない。

で、まあ、キーボードはM1210よりも打ちやすい感じがしてそこは良いのだが、おれが最もまねして欲しいところは真似してないのな。つまり、Air以降のでっかなタッチパッド。あれに慣れると普通サイズは使いにくい。

B002CJZETY

_ 打たれ強いデルドッグ

それにしてもdell dockはルック&フィール訴訟を招きそうなおまけだな。


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