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日々の破片

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著作一覧

2009-07-05

_ 奇想の王国

文化村で奇想の王国。

國芳の『みかけハこハゐがとんだいゝ人だ』が題名の素晴らしさでえらく気に入る。もっとも画はどちらかと言えば、どうでもいいけど、とにかく題。Wikipediaのリンクにつけられた名前もいかしている。

画としては、17世紀くらいの精緻に書き込まれた静物画の努力に心は打たれる。

妻が、こんな画を書いていて、歓びみたいなものがあるんだろうか、とか言い出して、ちょっと考える。

ジョットーが感じたであろう法悦感とか、ピカソが感じているだろう衝動感だとか、そういったものはないんじゃないかなぁと想像する。

しかし、それに代わり、どれだけガラスのように透明なものを透明に描くか、どれだけ額縁の存在感を平面上に再現するか、何よりも観た人にセンスオブワンダーを感じさせるか、そういった技術をベースにした表現の可能性に対する探求の歓びみたいなものがあるんじゃないか、と考える。

ってことはだ、この画家たちは、技術者であり、SF者である、とそういうことなのであろう。宗教画と春画の両立のために歪めた画を描いてみたり、遠近法の重要さを説くための悪い例の極端流な書き方とかにも、そういった精神があるように思う。

とすれば、20世紀になってダリとマルグリットマグリットの作品が出てきた時点で、何か異なる展覧会になってしまうのもしょうがなさそうだ(エッシャーは良いのだが、マルグリットマグリットとダリの作品群は場違いに見える)。モダニズムの時代では、技術による驚きは画では提供できなくなってしまったからではないか? もっとも、初めて生でみるマルグリットマグリットは妙に平坦な質感にちょっと驚かされる。エッシャーのように版画を使わなかったことで、特異さが際立っているようにみえるのだ。

それが、現代になって、また驚きの凸が凹に見える画が出て来て、実はまだ探求すべく領域が残っていたということにささやかな感動を覚える。あるいはあっさりと描かれたたくさんの皿の実在感とか。

_ ボウフラ

辻潤の作品に『孑孑以前』というのがあり、見た目もボウフラっぽく、IMEも何事もないかのように孑孑と出してくる。ということもあって、孑孑と書くのかと思っていたがWikipediaには異なる記述がある。でも、ここはEUC-jpだからおそらくコピペしても?になるだけだろうし、典拠は辻潤ということで孑孑は孑孑でいいや。

で、子供が修学旅行のようなもので入手してきた稲をバケツで育てているのだが、孑孑が湧きまくっていることを発見し、どうしようかと考える。

メダカを放すのが好みではあるが、水やりを忘れるとかわいそうなことになるのは目に見えているので、生物兵器の導入は却下。

で、何かの記憶で油を撒くと言うのがあったなぁ、と軽く検索をかけると、食用油を1〜2滴入れて膜を作ると、水面に上がって来ても呼吸ができないので駆除できると書いてあるのを複数個所で見つける。この方法だろうな、と考える。孑孑はエラで呼吸するわけではなく昆虫なのだから、まちがいなく空気呼吸するはずだし、説得力はありそうだ。

で、試してみると、これはしたり。だめじゃん。

まず、食用油を水に入れると、その場で大きな油滴に丸まってしまう。そういえば、水たまりのガソリンとかはきれいな油膜になっているが、あれは揮発性だからか、あるいは親水性を持つように何かの薬剤が入ってるんじゃないか?

というわけで、結構な量を入れたり撹拌したりしてみたが、どうやっても膜にはならない。

で、観察しているとボウフラは水面に上がって来て油滴にぶつかるとしばらく困っているが、結局下に降りて斜め上に上がり……最終的には単なる水のところで息をついている(ように見える)。

おそらく、テレビか何かで田圃用に仕掛けのある油を入れて膜を作っているのに対して、ご家庭では食用油で代用、のようないい加減なナレーションが入り(おれの記憶もそんなようなもので作られたのかも知れない)、しかも実際に試したやつはいない、ということではなかろうか。

というわけで、ボウフラに食用油は意味がない。

と、書いてから、意味がないのは、カノーラ油の特性で、日清サラダ油ならOKとか、種類によって違うのかも、ということに気づく。が、夏休みの宿題でもないので各種食用油を使って実験する気は起きない。

というわけで、羽化したところをアースノーマットで撃退するしかないのかなぁ、ということになった。

アース製薬 アースノーマット 120日セット ミントグリーン

水際封鎖作戦に失敗したため、本土決戦に備える

本日のツッコミ(全7件) [ツッコミを入れる]
_ まこたん (2009-07-05 18:09)

10円玉入れると良いかもです

_ arton (2009-07-05 18:31)

10円玉は有効だとあるんだけど、量がわかんないんだよね。水の量と入れるべき枚数ってどんなもんだろう? (1枚じゃ意味ないのに1枚しか入れないってのはやだけど、2枚入れても無駄なのに2枚入れるのもなんかいやんな感じ)

_ ムムリク (2009-07-06 09:26)

台所用の中性洗剤とか?

_ arton (2009-07-06 15:46)

あ、なるほど。油が抜けたら試してみます……と思ったけど、稲に悪影響ないかな?

_ ムムリク (2009-07-06 17:08)

確かにそれは不安なところですね。<br>蛙を入れるとかw

_ nido (2009-07-06 23:44)

マルグリット→マグリットですね?<br>このテーマの展覧会だと、ダリはともかくマグリットは外せない気が。

_ arton (2009-07-07 00:17)

どうもありがとうございます。素で間違えて覚えていました。デュラスじゃないんだからね。<br>「奇想の王国」という題なので、nidoさんが言われることももっともだとは思いますが、展示されている作品から受ける印象は、(他の作品がそうであるように)技術によって人を驚かせたり楽しませたりする作品というよりは、異化効果による表現芸術だったので、違和感を覚えた(それがまさに展示側が狙う異化効果かも)ということですね。


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