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日々の破片

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2013-08-12

_ 近くて遠い南総へ旅行

千葉は南総に行ってみた。

確か記憶に間違いがなければ、本来、小学生低学年の頃に鋸山へ遠足に行くはずだったが、体調を崩したのだと思うけど、行けなかったことがあって、まず鋸山というのは憧れの地となった。名前が妙だ。

ポオ小説全集 3 (創元推理文庫 522-3)(エドガー・アラン・ポオ/田中 西二郎)

ポオにも鋸山奇譚という作品があるくらいだ。もちろん関係ないとは思うが(あるはずがない)。

そもそも南総というのは実に奇妙で、南総里見八犬伝の舞台になるくらいに、伝奇的な場所だ。海があってすぐに山があり、山には岩がごつごつしている。そりゃ、伏姫と白犬が住んだりもしそうだ。

現代語訳 南総里見八犬伝 上 (河出文庫)(曲亭馬琴/白井 喬二)

(白井喬二の訳本があるとは知らなかった。もし知っていたら、岩波の無体なやつを読まなくても済んだのになぁ)

どうして妙なのかは大体想像がつく。南総に至るとそこかしこに妙な山やら丘陵やらが海岸近くに立っていて、岩肌は層化しているのが見える。海の中にあったからだろう。

「地形・地質学入門」

(本当にそうのようだ)

京葉道路を南下すると、次に館山自動車道というのに入る。一車線になるが途中一時的に二車線になり、また一車線になると、富津竹岡ICがあり、そこで下りた。127号をしばらく進むと金谷という漁港があり、そのちょっと先が鋸山だ。随分ひなびた場所だなと思うが、実はさらに南下すると館山に着き、ここは立派な市となる。(富津市が48000人、鋸南町が9000人、南房総市(比較的新しい寄合所帯)が42000人に対して49000人だから、鋸南-南房総と人口密度が薄いところを通過すると急に都会が出てきてびっくりするが、半島の先端だから不思議な感じがする)

で、お目当ての鋸山に着くと、良くわからないので、ロープウェイの駐車場に車を停めて往復券を買い、乗り込む(15分間隔で運航)。

実は、日本寺という鋸山の山頂一帯を境内とする巨大な寺の入り口まで車で行けて、しかも駐車場があるのに気付かなかったのだった。が、ロープウェイは標高3?0メートルの山のてっぺんまで4分くらいで着く(秒速4mとアナウンスがあったような気がするが、であれば距離にして1kmくらいということだろう)。やたらと高い所を進むのでロープウェイのほうがおもしろいように思う(しかし基本は寺の境内をうろうろするので、寺の駐車場に停めるほうが歩く距離は少なくて済む)。

で、日本寺に拝観料600円(だと思うけど忘れた)を払って中に入ると、良くわかっていなかったが、山の中腹からてっぺんまで使ってそこら中に仏像だの羅漢だのを配置した、一種の極楽のパノラマになっていた。哲学堂の仏教版という感じかなぁ。が、建築用の石材の切り出し跡やら、昭和40年代に(おそらく観光資源として)作った妙な巨大仏があったりして、奇怪極まりない光景が山を登ったり下りたり、整備された階段だったり、いい加減な自然石の段だったりして、疲れたがおもしろい。来歴を読むと、廃仏毀釈の時にさんざん破壊されて放置されたらしい。こんな山の上までキリスト者だか神道主義者だかが押しかけて仏像を打ち壊したと想像すると、やはり伝奇の世界そのものだなぁ。

その他、季節がらか、ただ底のほうに白い塊があるだけに見えるが、唐突に国道127号を走っていると出てくるヒカリモ発生地を見てみたり、同じく127号を走っていると唐突に出てくる、鉈切洞穴と丸木舟を見てみたり(この神社の付近にはまったく駐車場がなく、どうすれば良いのだろうかとUターンしてはうろうろしたが、なんのことはなく、境内を少し入った右手に集会場と駐車用スペースがあるのであった。罰があたりそうではあるが、鳥居を車でくぐって(罰というか石柱で擦りそうだ)進めば良いのであった。

洞穴そのものは奥行30mの海食洞穴だそうだが、入口付近を祠でふさぎ、さらに全体を柵で囲み、さらにその前を社でふさぐという、いかにも穴の奥の大蛇が出て来られないように厳重に封鎖してある。とはいえ大蛇を鉈で退治したので鉈切洞窟というらしい。このての伝説は大抵の場合、地元の部族を征夷大将軍が民族浄化したことの言い換えなので、土蜘蛛のように、このあたりには大蛇族が住んでいたのだろう。と、いかにも伝奇的な場所だった(129号に沿っているはずなのに、社から回りを見渡すと、見渡せないほど林が奥まった様相で、いったいどうなっているのか幻惑されるのだった)。

そのほか、崖観音とかいろいろ観たかったが(129号を走るとヒカリモ発生地や鉈切洞穴のように、いろいろな観光スポットの看板が出てくる)、そのくらいで終わり。

宿は海岸沿いのあたりの宿は埋まっていて、少し陸に入ったところのやどかりという民宿(価格から民宿だと思ったら、実際には和風のペンションという趣の凝った作りの宿だった)をとった。メバルの煮つけ、平目、イサキ、鰆の刺身、モロヘイヤを叩いたやつ、雑穀の春巻き、煮物(妙に細い筍がおいしかった)などの夕食、平飼い鶏の卵とヒジキなどの朝食で、実に良い感じだった。


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