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日々の破片

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2018-10-17

_ サンフランシスコといえばレジデンツ

同僚が、唐突にレジデンツのギグを見つけた。

10/16 19:00からSwedish American Hallだ、ということは今日の夜じゃん。

で、25ドルのチケットを2枚頼もうとしたら既に売り切れで30ドルのチケットのほうを手配した。

さすがサンフランシスコだな。

で、名前からして、おれは今もあるか知らんけど、六本木はハリウッド化粧品トンネル麓のデンマークセンターみたいな建物を想像していたわけだ。

Uberがなかなか捕まらなかったとかで、ちょっと遅くに同僚がホテル前に迎えに来てくれた。

運転手はラテンっぽい。同僚が昼間に見たシビックホールの周りのタクシーのパッパラパー大行進について聞いたが、全然知らんとのこと(後で考えると、SIGNALのためにそこら一帯が通行止めになっていることに対する抗議じゃなかろうか)。

で、どんどこ北へ進み、大きな丘陵を下ったりしたあとに、古めかしい街並みに入って坂を上り始めたところで車が停まった。

で、どれがスェーデンのアメリカにあるホールだ? ときょろきょろすると、古風な建物が目についた。

中に入ると、いかにもナードな眼鏡のあんちゃんと全然覚えていないねえちゃんの2人組が入り口でチェックしている。

階段を上ると、そこがホールだったが、なんだろう? ホールというよりも寄席みたいな感じ。ホワイエにちょっとしたバーカウンターがあって、中はパイプ椅子が並べてある。2階席もある(ここで朗読するのが、舞台左のでっかな水晶玉に映し出される)が、こちらには客はいないようだ。

遅れてきただけあって、すでにショーは始まっていた。

青山で観たときと同じく、ペスト医師軍団と牛が、ノイズを出している。うむ、レジデンツ。ここだとまさにレジデンツ。

客はみんなパイプ椅子に腰掛けてじっとノイズに耐えながら、水晶玉の朗読に切り替わるとときどき笑う(が、何がおかしいのか、おれには全くわからなくて残念だ)。

追記:

女の気をひくために見舞いの花を買おうとして生花が花屋になく、若い店員がじゃあ裏に咲いてるのをまとめて持ってきますよ、というのでじゃあそれをくれと待っていたら、綺麗にラップされたサボテンが出てきて、お前これサボテンじゃねえか!?みたいな話の朗読でしたよ

いい感じじゃん。客数は200人いるかいないかってところ。

実に良い雰囲気でおもしろい。

終わって外に出るとMUNIの入り口がすぐに見つかったので乗り込む。

いつもと違う出口で出たので、おっかないのなんのってありゃしないが(ホテルの目の前の出口から出れば良いのだが、間違えて、共同住宅らしきものの建築現場の前に出た)まあソーソーで戻った。

_ サンフランシスコといえばケーブルカー

ケーブルカーといえば強羅-早雲山とか御岳山のやつを想像していたら、サンフランシスコのやつは地面の下にケーブルがあるらしい。ていうか、そうでなければ直交する道路の車が通れない。

で、チャイナタウンを見学して、海のほうへ坂を下ってケーブルカーに乗ることにした。坂は切り立った崖みたいで、歩いて上る気にはまったくなれないからだ。

キャッシュオンリーということなので、お金を払って乗り込んだ。進行方向向かって左側に陣取ったのは特に意味はなかったが、太陽に照らされる側だったのは誤算だった。

後ろを向くと、でっかなレバーと運転手さんがいて、そもそも運転手さんは進行方向前にいるのではないから、レバー操作を見るのはそれはそれでおもしろい。ギアとワイアーで、なかなかパンクな電車だな。

丘のてっぺんあたりに、でっかな白い建物(白亜の殿堂という紋切り型のフレーズにこれほど似合う建物も珍しい)が見えて、一瞬ソ連の巨大建造物かと思った。労働こそ価値だか、額に流す汗は尊いだか全然記憶にないが、何か労働を称えるような言葉がでっかく書いてあって、なんじゃこりゃ? と不思議に思って目を凝らすと、下の方に眼玉と三角とコンパスが書いてある。こんなところにフリーメーソン、というか、まさにフリーメーソンっぽくておもしれぇなぁと感じ入る。

終点で降りると入れ替わりにアジア系の人たちがたくさん乗り込んで来るのが見えた。

適当に坂を下りながら北へ進むと、でっかな通りにぶち当たった。下の方にこれまたでっかなスタジアムかホールか、そのての建物が見えたので(後になって調べると多分市庁舎)、この通りを下ることにした。バンネスアベニューというらしい。

右側にホンダ、ニッサン、(看板は忘れたが中にはジャギュアやベントレーが置いてあるのでイギリス系)といった外車屋が立ち並ぶ。

さらに行くと養老院があって、なんか雰囲気からは青山通りとか表参道とかに近いのかな。

養老院の脇に本屋が見えたので、そこに入ろうとしたらやってなかった(覗くと美術関連の本のようで、中にはヒゲしもぶくれのおっさんが、何か一生懸命書き仕事をしていた)。

さらに下ると、営業中の本屋を見つけたので入る。

ちょっと雰囲気が違って、民主党っぽい香りがしまくる。

YAものがやたらと充実していたり、オバマの本が平積みになっていたりする。

平積みの中に、トムロビンソンバンドではないが、拳が立ち並ぶのがあり、題名はちょっと過激、中を読むと子供用の社会参加の入門書みたいでおもしろいので、買った。このあたりは、リベラルなのだろう。金もありそうだし。

Steal This Country: A Handbook for Resistance, Persistence, and Fixing Almost Everything (English Edition)(Styron, Alexandra)

オペラハウスがあったり(後にサンフランシスコ交響楽団の本拠地と知ったが、未だにぱっとしないのは対外活動が活発じゃないだけで、地元ではちゃんとやっているのかな)。

坂をほぼ下りたあたりで、海側へ向かうと、シビックホールが近づいてきて、横にビルグレハムオーディトリウムもあった。なるほど、明日はここへ来れば良いわけだな。

なんか回りをタクシーが囲んで、パーパー鳴らしまくりながらぐるぐる回っている。なんだろう?

中のほうでは、SIGNALのテントを設営している。

地図を見ると、おれが泊っているホテルがすぐ近くだとわかった。

で、信号渡って最短の道に入った瞬間、これがおっかなくて、びびる。

ホームレスがいるのは見慣れてしまったので全然良いのだが(それにしても脚が不自由な人がやたらと多い。朝とかだとボランティアの人たちがいろいろ世話しているのを見かける。あと、犬を連れた人も多いね)、明らかに、その位置を持ち場とした集団が何組かいる。

特定位置を持ち場とした立っている健常者がいれば、女性なら娼婦、男性ならば売人だ(もちろん男娼もいるわけだが、なんというか目つきが違うし、この界隈の雰囲気はそっちではない)。

で、ここは男性が数組、タバコ屋を中心として並んでいる。そういえば、ホテルの周囲を探索したらSPARCがあったから、サンフランシスコで売っているものはそのてのまともな系統ではなく(だって正規に買えるわけだし)注射系だろう(キルミープリーズだと、ベトナム戦争反対派がみんなマリファナをやっているもので、ニクソンがマリファナ=危険(政治的に)と印象付けて、安全なものとしてヘロインを売り出したというような陰謀論が書いてあったが、全然安全ではないな)。

で、住んでいる世界が違うからおっかねぇなとは言え、逆に言えば商売人なので、客ではない人間が、自分のほうから商売の邪魔をするようなことさえしなければ、ただの通りすがりに余計なことをしでかすようなリスキーなことをするはずはあり得ない。

その意味では、明らかにすっとんでしまった連中よりははるかに安全ではあるから普通にスルーすれば良いので、安心といえば安心でもある。ぶつかったりしなければ。

で、結局、毎日その道を通ってビルグレハムに通うことになるのだった。


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